PEEL Labが示すサステナブルな未来
Introduction
PEEL Lab(日本法人本社/大阪)は、植物性皮革などを利用して、新しいバイオプラスチック製品を開発している日本のスタートアップ企業です。
今回はPEEL Labの営業マネジャーである山下さんに、PEEL Labの見るこれからのサステナブルな世界についてインタビューさせていただきました。
御社のビジネスについて
PEEL Lab株式会社の事業について、ご紹介ください。
PEEL Lab(日本法人本社/大阪)は、植物性皮革などを利用しサステナブルな世界の実現を目指す創業一年ほどの日本のスタートアップ企業です。具体的には、新しいバイオプラスチック製品、主にパイナップルなどの植物を利用した植物由来のレザー(皮革)を開発し、企業やブランド向けにB2Bで展開しています。今までには帽子や、着物、扇子など幅広く商品開発を行ってきました。エンドのユーザーさんにもサステナブルの植物性由来の製品を選択肢の一つとしてお届けできるよう努力しています。
今のビジネスを行ったのはなぜですか?
代表のJIMは動物愛護家で、はぎ取られた動物の80%が廃棄されているという現状に心を痛めていました。そこで、JIMは過去にフードロスをアップサイクルする企業の設立からEXITまで行っている経験もあることから、その知識を応用し廃棄されるパイナップルの葉っぱからレザー製品を開発するビジネスを立ち上げました。
PEEL Lab株式会社の目標について
長い目での目標は、17つあるSDGsのゴールの中の、1つや2つでなく、なるべく多くを達成できるようなプラットフォームを作り上げて行くことです。
そのなかでも、男女平等、女性のリーダーシップを非常に重要視しており、それを推進していくことがJIM自身のモチベーションにもなっています。
また、現在のビジネスの目標は、動物性レザーの1%を植物性に置き換えるとしております。
こちらの目標を達成するためには、2000万m2の植物性生産皮革の生産、おおよそランドセル100万個が製造できる量が必要になります。これにより動物資源の節約だけでなく、20万トンほどのCO2を削減可能となります。
今年は規模を拡大して、10万m2のレザーの生産が可能になります。今後も企業様と協力していき、来年には工場も拡大して、目標に確実に近づいていけたらと思います。
日本のサステナブル社会に対する考えついて
日本のサステナブル社会について、どのような課題があると考えますか?
日本・アジアの現状として、SDGsに貢献するエシカルな素材に対して、高価なので別世界の物と捉えている方がとても多いと思います。
植物由来のパイナップルレザーなども面白いけど、高いし今はいいかな、という方がすごく多いと感じます。一方、ヨーロッパとかアメリカはだいぶ進んでいて、意識の高い方も多く、学校の教育の一貫としても取り入れられていたりします。
また、多くのブランドも積極的にエシカルな商品を取り入れています。
現状、日本では子供たちがそういった素材に触れる機会もなかなかないため、これからの未来を担う子供たちに積極的にエシカルな素材を身近に感じてほしいと思っています。
その課題について、PEEL Lab株式会社はどのようにアプローチしていますか?
弊社の場合は、まずはエシカルな素材の商品が高価な物なので買えないといったハードルを下げていこうと考えております。B2B向けに大量生産・販売していくというシステムによりコストを抑えることで、パイナップルレザーをより身近に。それによってSDGsに向けた意識が高まってくれたらいいと思っています。
社会全体が今後取り組むべき脱炭素化の課題や方向性は何ですか?
新しいことに取り組む際に、少し抵抗感を感じる場合も多いと思います。
ですが、そろそろ脱炭素化に向けて手段を選んでいる場合ではないという現状だと思うので、各自、各企業が当事者意識を持っていくことが大事だと思います。近い将来、地球温暖化等により、地球の環境が取り返しのつかないものになってしまうというデータがたくさん出ていますし、人口も増え続けているのでCO2の排出量は増えていきます。
そこを抑えるための対策は企業が積極的に推進していき、消費者も企業の活動を通じてエシカルな商品を手に入られる機会が増えたら良いなと思っています。
PEEL Labが脱炭素化に取り組む企業や個人に対して、どのようなアドバイスやメッセージがありますか?
SDGsを推進している企業・企業の中にはイメージアップを意識している企業も多いと思いますが、やらない善意よりやる偽善というように、まず何かしらに取り組んでいただければうれしいなと思います。ほんとに小さなことでも良いので、何かしら取り組んで、そこからだんだん脱炭素に向けた解決策に乗り出せる体制を整えられたら良いと思います。
最後にインタビューを終えて
PEEL Labにインタビューをさせていただき、脱炭素化・サステナブルな社会の実現への思いが伝わってきたと同時に、各自がSDGsを意識して行動しなければ、残されている時間はなかなか少ないという危機感も抱きました。
PEEL Labの思いがなるべく多くの人に伝わり、少しでも多くの人がサステナブルな社会の実現に向けて行動できるようになっていけたら幸いです。